2009年9月30日水曜日

1/1000秒

この夏、ニコンFMを入手したという話は以前に書きました。
FMは最高1/1000がシャッタースピード。これが後継機のFM2からは1/4000となります。発売当時は最高速のシャッターでした。

シャッタースピードというのはカメラの性能を比較するのに一番わかりやすいものなのでしょう。
1/1000より1/2000のほうが高性能というのはわかりやすく、さらに1/4000、1/8000となればあまりカメラの知識のない人でも「すげー」ってことは理解しやすい。この辺りは最近のコンパクトデジカメとかの「1200万画素あるんだ、すげー!」という感覚に似てなくもない‥‥。
で も実際の撮影では、1/1000あれば十分という感じしませんか?ちょっと余裕を持っても1/2000。実際、ニコンはF3まで1/2000だったわけで、他社のカメラもそんな感じでしょう。

まぁレースやスポーツを撮影されるという人には絶対必要なスペックということは理解しておりますし、ポートレートなどで明るいレンズを開放で使っていくというときには必要になってきます。シャッターが高速になるにともなって、ストロボのシンクロ速度も高速化の恩恵もあります。ただ自分のように町の風景やスナップを撮るような場合 は結構レンズは絞って使いますし、ネイチャー派という方も絞ってシャープにというパターンが多いのではないでしょうか。

中判を使うようになって、レンズシャッターのカメラならばシャッタースピードが1/500までだったりすることは普通のことで(大好きなマミヤRBは1/400だし)、何か最初は不安というか不満というか、とにかくこんなので大丈夫か?という思いがありました。それはたぶん、今までカタログのわかりやすい「シャッタースピードというスペック比較」に踊らされていた自分というものがあったのは間違いないです。
よく考えれば普段写真を撮っていて(自分の場合)1/500程度までで、1/1000より早いシャッターを意識してセットしたことはあまりありません。高級機にあるようなとんでもない高速シャッターは自分にはあまり必要はないようです。

‥‥といろいろ書いてみましたが、こういう考え方がベースになっているものだから、ついつい安い(最近は本当に値崩れしていますね)ベーシックな一眼レフが増えていくということになっておりますです、はい。

2009年9月17日木曜日

PENTAX Kx‥

PENTAX Kxっていうデジカメが発表されていた。

20色のボディカラーで5色のグリップ、つまり100のカラーバリエーション‥‥。
ここまでくると性能とかは二の次で、まるでユニクロみたいだ!

いろいろな色が選ぶことが出来るというのは楽しいかもしれない。
ホームページではカラーシュミレーションが出来て、そこで気に入った色での人気ランキングも!
自分ではベージュボディにグレーグリップというのがいいかな‥‥ちょっと面白くないか‥‥。



で、これからペンタックスはどこを目指していくのだろう‥‥。思い切りすぎていないか?

2009年9月15日火曜日

「美の壷」クラシックカメラ

NHKの「美の壷」という番組、さまざまなものの持つ「美」を鑑賞するためのきっかけを作ってくれる番組です。結構好きな番組なんですけれど、前回の放送は「クラシックカメラ」。取り上げられるテーマはどちらかというと工芸品であったり民芸的なものであったりというイメージだったのですが、今回は「クラシックカメラ」‥‥。

カメラそのものが鑑賞すべき対象になってきたということなんでしょうかね。番組ではクラシックカメラをひとまず「一般的に1960年代ころまでに製造された機械式のカメラ」という定義としています。うちのカメラは半分くらいはクラシックカメラなんですね‥ちょっと複雑な気分‥‥。
地方に住んでいる者からすると、この番組で田中長徳さんとか飯田鉄さんとか、雑誌などでしか接することのない方々の話す声を番組を通じて聞くというのはすごく新鮮な感じでした。これから文章を読むときにその声を想像しながら読むことが出来そうです。

レンズの魅力を紹介するところで「ボケ」という言葉を使わず「ぼやけ」という表現で語られていたのがちょっと印象的でした。カメラマニアでない「普通の人」に伝えるにはこの方がいいのかな‥‥「ボケ」という言葉は一般的じゃないのでしょう。

概ね「ライカ」が軸となっていました。やっぱり鑑賞の対象になるようなカメラといえば「ライカ」なんでしょうね。
たぶん他のテーマのときもそうなんでしょうが、とても30分ではカメラの魅力は語りつくせず、ほんの入り口の扉に手をかけたところという印象でした。

2009年9月11日金曜日

iPod

待ちに待っていましたiPodの新型が発表されました。
最初の型のnanoをずっと使っていました。次に買い換えるのならば、PDAとしても使えそうな(ずーっとpalmを愛用していた)iPod touchだと決めておりました。
しかし、次のモデルチェンジでiPod touchにカメラが搭載されるのではないかという予想がネット上に流れ始めてから、せっかくならばカメラ付きの方がいいということでその発表を待ちに待っていたわけです。


カメラ付いていないじゃん!
現行のモデルの容量とスピードを増強したということですか。一番安いモデルの価格を下げたということですね。大きな変化を期待していただけに、ちょっと肩透かしを受けたような感じです。

でも肩すかしであろうと、結局のところすでに、さらにお手ごろになった8ギガのモデルにするか、その上のモデルにするかという迷いに入っています‥‥。

2009年9月4日金曜日

第6回グループプリントエクスチェンジ

tokyo-photo.netさんが行なう第6回グループプリントエクスチェンジに前回に続いて申し込みをしました。
モノクロを愛する、暗室を愛するもの同士が、グループを作りプリントを交換するという企画です。
見も知らない他人からプリントが届く、そして、どこかの誰かに自分のプリントを届ける。緊張しますが、それ以上に勉強になります。

写真が一般的にカラーになって30年から40年というところでしょうか。さらにデジタルになってしまって。
地元でグループ展などやっていても、モノクロというのは珍しい存在で、「めずらしいねー」「なつかしいねー」の感想でとまってしまう、さみしい状況。
ネットで繋がったモノクロの同志の皆さんとプリントとプリントで会話するようなそんな機会です。インターネットってすごいものですね。

さぁ、どのネガを選ぶか?楽しい暗室の時間の始まりです。

2009年9月1日火曜日

構図について考えてみる

今月のアサヒカメラ(9月号)の特集記事として、「デジタル黄金分割」というものがあります。「黄金分割」‥‥参加している写真クラブの勉強会なんかでも、時々聞かれる言葉です。
どうも、個人的にはこの「黄金分割」というものがあまり好きではありません。概ね「黄金分割」というものは、画面の縦を三分割、横を三分割して、そのラインもしくは交差する点を意識して構図をまとめやすいと説明・紹介されることが多いようです。非常に古典的な方法でもあります。
そもそも絵画の構図方法として考案されてきたものを、写真の構図にそのままいかしていいものか、その点が自分の中ではしっくりこないのです。
絵画の構図はいかにキャンバス上に世界を構築するかという事になるかと思います(自分はそう感じているのですが‥‥)。写真の構図というのは、目の前にある光景をいかに切り取るかということになります。写真の構図はその画面の中で完結するというよりも、切り取られた画面外側の気配を感じさせるものでなくてはいけないと思うのです。現実の一部分を「切り出してくる」という感覚を意識しなくてはいけない。いかに画面の中だけで完結させないか‥‥とまで考えてしまいます。
壁に掛けられた鏡は、右に左に視線を移すとさらに奥の世界が見えてきます。写真も同様に(実際に見えるはずはなくても)、画面の外に広がる世界の気配が鏡の様に感じられなくてはいけないと思うのです。
また(少し意味合いは変わりますが)、「切り取る」という感覚からすれば「時間」というラインも写真は切り取ります。その写された瞬間の前、そして後に、本来続いているであろう時間の軸を感じさせる撮り方も考えなくてはいけません。
空間的な繋がり、時間的な繋がり、画面の外にまでそれを感じさせる写真を撮ってみたいといつも思っています(なかなか難しいのですが)。

「黄金分割」は確かに簡単にバランスよく構図のとれる方法であることは疑いないでしょう。しかし、「黄金分割」を意識しすぎるとやっぱりよくないなぁと思います。画面の中のみで構図を完結させようという意識が強くなりすぎて、「枠の外」の気配が感じにくくなってしまうような気がしてなりません。

写真クラブの作品展などで、黄金分割にとらわれすぎて、ずらりとならんだ1点1点作者も撮影地も違う風景写真が、離れて会場全体を眺めたときに額の中の作品の地平線がずらーっと同じラインにならぶというのも、ありそうな話です。

ところでアサヒカメラの特集「デジタル黄金分割」(特集ページには「デジタル(時代の)黄金分割」としてありますが)、何で「デジタル」と特別うたう必要があるのでしょうか?内容も特別デジタルというものでもなかったような。今の時代、何でも「デジタル」と書いておいたほうが人の目を引くのかなぁ‥‥。