2012年5月24日木曜日

「長船恒利の光景」



写真集は好きで、それなりの数を持っている方だと思う。その中で最も好きな一冊を挙げろと言われればこの長船恒利「在るもの」を選ぶだろう。10数年前、この薄い写真集を手にするまでこの写真家の存在も知らなかった。たまたま、いろいろな写真集をまとめて取り寄せて買った際に「ついでに」注文したと記憶している。偶然の出会いというのは偶然であるほど衝撃的のものであるわけで。真昼の街角。不思議なほど淡々と見える景色に心を奪われました。
それ以来、この写真家のことがずっと気になっていたんです。

たまたま最近ネットで検索をした際、長船氏が2009年末に亡くなり、今年初めに静岡で回顧展が開催されていたこと、またその展示にあわせて作品集・記録集 「長船恒利の光景」が出版されていた事を知りました。
早速、そのギャラリーのメールして、 その作品集を入手しました。
過去に私家版としてまとめられた写真集を中心に7冊の小冊子がひとつの箱に収められていました。「在るもの」一冊しか知らなかった写真家の作品を、その生涯とともに辿ることが出来た気がして、興味深くここ数日この写真集を眺めています。「在るもの」と比較すると、かなり柔らかな(眠く時代がかったような)トーンの印刷がちょっと気になる感じ。
今回の写真集と先の「在るもの」。オリジナルのプリントはどちらのトーンに近いのか、ちょっと気になりました。

また、好きな一冊が本棚に増えました。