2009年6月23日火曜日

Photo GRAPHICA 2009年7月号

毎号出るのを楽しみにしている雑誌というのは正直多くはありません。楽しみにしていなくても、なんとなく買ってしまっている雑誌が多いのですが、最近では唯一発売日を待っている雑誌がPhoto GRAPHICAです。
現在、書店に並んでいる2009年7月号はVol.15、「ゼロ年代の写真 2000-2009 写真の西暦2000年代を振り返る」という特集です。何か最初はピンと来ませんでしたが、考えてみれば今年は2009年。21世紀も(それを迎えるときはミレミアムとか言って、あんなに大騒ぎしたのにね)最初の10年が過ぎつつあるのですね。その最初の10年、ゼロ年代の写真を総括するというか俯瞰するというか、振り返ってみるべき時が来ているのですね。
思えばこのゼロ年代は、写真にとってデジタルに移行していく「過渡期」と後々語り継がれるのでしょうね。また、進化のスピードを増す刺激的なデジタルとその技術的に円熟したフィルムとの両方を自由に(そして手軽に、贅沢に)選択可能な夢のような10年だったかもしれませんね。
紙面を見つつも、いろいろな写真家とその作品群が、ずいぶん前のことに感じられることもあり、時代のスピードを改めて感じてしまいます。

BLOWUP写真展 ~瀬戸市立図書館~

毎年恒例となっています参加している写真クラブBLOWUPの写真展が今週末からスタートします。お近くの方はぜひご覧ください。

私は4×5で撮影、例の引き伸ばし機でプリントした作品2点を展示しています。


BLOWUP写真展 2009

6月28日 日曜 ~ 7月12日 日曜
午前9時から午後5時(最終日4時まで)

瀬戸市立図書館2階市民ギャラリー
瀬戸市東松山町1-2

自作引き伸ばし機を使ってみた

さて、トヨフィールドの後側に取り付ける光源とフィルムキャリアは一通り完成したものの、実際の暗室作業に投入出来ないままになっていました。先日やっとペーパーを買ってきましたので、昨夜「初4×5引き延ばし」作業を行ないました。
結果なんですが、思ったよりは光源は明るく、無事作業することが出来ました。結果は上々です。

光源周囲からの光線洩れはやはり派手にありました。暗室にあった黒のビニールテープを洩れている箇所に貼る事でひとまず対応。
引き伸ばしレンズは用意していないので、撮影にも使っているフジノンの125mmをそのまま流用。手元にあるイルフォードマルチグレード用のフィルター(引き伸ばしレンズ下につけるタイプ)はレンズの径が大きく使用できなかったため、今回は十数年ぶりに号数ペーパーを用意しました(フジブロWP KM3号)。
ネガは春先のクラブの撮影会で撮ってきたもの。フジのアクロス100。その現像については(これもいい加減な方法だけど)また後日(空の一部に現像ムラがありますね)。

暗室内で気がついたこと。
さすが4×5のフィルムサイズ。六切り程度の伸ばしでは、アクロスという微粒子のネガということもあって、自慢のピークのフォーカシングルーペで見ても粒子は見えませんね。ピント合わせの作業なんですが、撮影レンズを使っている上に、もともと水平に設置すべきトヨフィールドを縦に置いたせいで(まぁ古いカメラでいろいろとガタもきているし)なかなかスムーズに合わせるというのは無理ですね。多少時間がかかりましたが、ピントはきましたよ。
中間のトーンが豊かという印象。背景のボケ方などはちょっと中版とは違った感じですね。

自分の必要とするレベルにおいてはこれで十分です。撮影用のレンズの流用もまあまあの結果、ただ何かあってはいけないので(熱の問題や落下とか)、どこかでシャッターが壊れているジャンクレンズを探してきたほうがいいようです。その際、口径の小さなものだったら今手元にあるマルチグレードのフィルターの使えるかもしれません。
伸ばし機の支柱の様子からすれば、半切程度までならば楽に行けそうです。フィルムの種類なんかも再度検討ですね。しばらく楽しめそうです。

2009年6月20日土曜日

浅田政志写真展「浅田家」・名古屋パルコギャラリー

今年の木村伊兵衛賞受賞の浅田政志さんの写真展を見てきました。
「浅田家」というシリーズは、写真家自身とその家族がいろいろなシチュエーションの中でさまざまな役・人になりきっている作品となっています。いろいろな雑誌などにも取り上げられているので、結構よく目にしている作品です。
なんとなく集団コスプレの悪ふざけ的な印象も少し持っていたのですが、実際に展示を見ていると全く違った印象に替わりました。やはりこの作品の根本にあるのは、家族の結びつきであり、記録でもあり、つまりは「家族」そのものということです。家族の協力なしには成立しないもの、家族がいるという喜びなのです。
写真家である息子(または弟、義弟)の作品つくりに協力している‥‥というよりも家族全員で作り上げていると思います。
将来うちの子供たちが(写真家に限らず)何かの表現者となったときに、モデルや作品の題材として協力を求められたとしたら、自分はどこまで無条件にそれに協力・参加できるのだろうかと自問してしまいました。


展示でユニークに感じたのは「ギャラリー内写真撮影自由」ということです。ビーチのセットと小道具が用意され、そこで浅田家体験ができるというものもありました。デジカメも設置されていてそこで撮影されたものは展示もされることもあるということ。また、家族で自分のデジカメで撮影が出来るよう三脚まで用意されていました。これは家族で見に行かなくちゃ面白くない!今回は1人で見に行ったのですが、すごく残念な気分になりました。

「家族」はいいものです!

2009年6月6日土曜日

「土田ヒロミの世界」

ずっと見に行きたいと思いつつ、なかなか出かけられなかった写真展「土田ヒロミの世界」(BanPhotoGallery)を見てきました。
春日井市に出来た写真ギャラリー。たどり着くのにちょっと道に迷いましたが、なかなかいいギャラリーでした。東京や大阪と違い写真専門のギャラリーは少ない地域なのですが、うちから近い場所で土田ヒロミさんのプリントが見ることが出来るなんて!
一つのテーマで、シリーズとして作品発表されることの多い写真家ですが、初期の「俗神」と最近の「新・砂を数える」のふたつのシリーズからの展示でした。モノクロのプリントとフィルムからスキャニングして大きくデジタルでプリントアウトされた、対照的な二つの作品世界がギャラリーの中にあふれているといった印象です。見ごたえありました。

次回展示も楽しみです。

2009年6月5日金曜日

とにかく完成!

 何度か書いてきた4×5引き伸ばし機の製作。
トヨフィールドに光源を接続、ラッキー90M-Sの支柱に固定して、ひとまずの完成です。
どことなくアジアチックな感じというか、やっぱり貧乏くさい感じですね。みかんの缶が外観上、致命的でしょうか。もともと出来ないより出来た方がいいやという感覚でスタートしていますから、まぁこんなものならば大丈夫でしょう。
 レンズは撮影に使うレンズをしばらくは流用するということにします。
実際に使用する段階でまた、光線漏れなどがあるだろうと予測されますが(というよりも多発すること必至)、その都度テープでふさいでいこうという予定です。

 早く暗室で使用してみたいという気持はあるのですが、普段使っているイルフォード・マルチグレードのフィルターのフォルダーが付けられない点、それでなくても光源が暗めなのでフィルターは使いたくないなどの理由で久しぶりに号数印画紙を使ってみたいと思っています。号数印画紙が手元になく、買出しに出かける必要がありその準備が整うまでは、しばらく我慢ということになりそうです。

 また、作業しましたらそのあたりのことも書きたいと思います。