2009年7月31日金曜日

米谷美久さん訃報 ~XAのこと~

オリンパスの米谷美久さんが亡くなったというニュースを聞きました。
米谷さんといえばオリンパスペンシリーズやOMシリーズ、コンパクトカメラのXAの設計で知られる技術者です‥‥カメラ好きなら皆さんご存知ですね‥‥。
小型で個性的で魅力的なカメラ。日本のカメラの設計者でカメラと設計者の名前が結びついてセットで思い出されるというのはあまり多くありません。

私が米谷設計のカメラで最もお世話になったのは、XAです。コンパクトなケースレスのカメラの先駆け、絞りが設定できるオートのカメラで距離計連動となれば、カメラマニアの心をくすぐります。ファインダー内で設定した絞りに対するシャッタースピードも読むことが出来るので、露出計を忘れたときもこれがあれば大丈夫でした。
35mmという焦点距離は自分の最も好むところ、フラッシュなんか使うことがないので外してしまえる設計というのも魅力でした。銭湯に通っていた頃の石鹸箱のような大きさのボディはカバン中に入れっぱなしという時期がかなりありました。
薄型に設計されたレンズは高評価をする方も多いようですが、個人的には設計上の制約を考えればすばらしいレンズですが、たまに聞くすばらしい描写云々とかの評価にはちょっと違和感を感じています。でも、必要十分な性能のレンズであることは確かです。何しろ壊れるまで使い次を探すという形で今手元にあるものが3台目となりますから、大好きなカメラであることは間違いありません。

「カバンの中入れっぱなしカメラ」の座はXAからは現在コンパクトデジカメにその座を譲って久しいのですが、久しぶりに今日からはXAにモノクロフィルムを詰めてみようと思います。

たぶん私たちの年代より上の日本人なら誰もがオリンパスペンの思い出はそれぞれあると思います。デジタルカメラとしてつい最近復活したペンの名前。米谷さんの訃報を聞き、いろいろなカメラのこと、これからのカメラのことなど考えています。ご冥福をお祈りいたします。

2009年7月28日火曜日

キヤノンの引伸しレンズ

撮影に出かけるというとき、いったいのカメラを持って行くかというのを考えるのはとても楽しい時間です。そして一緒にどのレンズを持っていくか、カメラバックの容量と撮影する目的とを考慮に入れ準備する‥‥(自分は釣りはしないけど)釣り人が前日に仕掛けなどを作って準備する気分に似ているのではないでしょうか。

撮ったフィルムをそのままカメラ屋さんとかラボとかに渡して出来上がりを待つ、というのが一般的なんでしょうが、モノクロ暗室好きにはさらにフィルムの現像やら引伸しとかの(楽しい楽しい)作業が待っております。
撮影にレンズが必要なように、引き延ばしにもレンズが必要になります。EL-NikkorだったりFUJINONだったり、ちょっと高価になりますが外国製のものだってありますね。いったいどれで引き伸ばすか‥‥。撮影レンズと比べて差がわかりにくいのが引き伸ばしレンズじゃないでしょうか。撮影レンズではボケ味がどうの言いますが、暗室ではアウトフォーカスのボケ味なんかは関係ないです。解像度やコントラストの微妙な違い‥‥確かに安物のレンズと高価なものでは違いがあるようには感じます。といっても具体的に説明のつくものでなく、暗室で作業している中で「なんとなく作業しやすく感じる」といった程度しか自分では説明できません。

よく「Leicaで写したら、引伸しもLeicaで 」という話も聞きますが、「Nikkorで写したら、引伸しもNikkorで 」とかはあまり聞きませんが、なんとなくEL-Nikkorで伸ばしたい気持はわかります。そういえばMinoltaもかつてCE Rokkorという引伸ばしレンズがあり、やわらかめの当時のRokkor撮影レンズと組み合わされるといい感じに仕上がるなんてことをどこかで聞いたことがあるような気がしますが、まあ気分的な要素も大きいような感じもします。

で、本題のCanon製の引伸しレンズ。同じくキヤノンで撮影したらキヤノンで伸ばしてみたいというのは、気持としてはわからないでもないわけで、かつてはキヤノンも引伸ばしレンズをカタログに載せていた時代があったようです。CANON LENS E 50mmF3.5。あとにも先にも1964年に発売されたこのレンズがキヤノン製の唯一の引伸ばしレンズのようです。

ずいぶん前になりますが、たまたまのぞいたハードオフにこのレンズがありました。1,000円を支払い、持ち帰りました。ほこりが多く入っていたので分解清掃(自動絞りも無く、ピント合わせのヘリコイドも無いシンプルなのが引伸ばしレンズ。分解清掃も簡単です)。本来クリックストップのためにある小さな金属のボールが絞りの羽根の間に入ってしまっていて、これも分解して組み治しました。

透明のプラスチックのフード状の物が目立つ特徴あるデザインです。この部分は二重になっていて、外側のが回転して絞りをセットするようになっています。使い勝手がよさそうですが、透明なプラスチックに書かれた絞りの数字が暗い暗室で読みやすいかというとちょっと微妙でもあります。マウントに近い黒い部分は金属にペイントでそこそこ重量はあります。

これで「Canonで撮って、Canonレンズで引伸し」という事が可能です。でも、いろいろなカメラをとっかえひっかえ使っているのに、なぜかキヤノンのカメラには縁が無く、全く使ったがありません。何時か縁があって、キヤノンのカメラを使う日まで「Canonで撮って、Canonレンズで引伸し」はおあずけにしています。

2009年7月23日木曜日

日食


昨日は日食ということで、その時刻にはワイドショーなども中継していました。
うちの近くでは7割から8割程度の欠けということでしたが、夏休みに入った子どもたちとともに観察用のメガネ片手に張り切って準備していました。‥‥が、あいにくの曇り空‥‥。雲間に隠れたり出たりする太陽が欠けていくのをそれでも見ることが出来ました。最大に欠ける時刻を前にして、太陽は厚い雲の中に‥‥。雲を通して撮影したのがこの画像。この後はまったく見えなくなってしまいました。

NIKON D100 SIGMA AF300mmF4
マイナスに補正をかけて撮影。
手元にあった一番長いレンズを持ち出したものの太陽はあまりに小さく、かなり思い切ってトリミングをしております。
あんなに大きく感じる太陽ですらこの大きさ、星を撮影する方の機材はやっぱりたいへんですね。
こういうときはデジタルカメラは便利です‥‥。

2009年7月16日木曜日

Nikon FM

フイルムを買いに立ち寄ったキタムラ。何気なく中古コーナーを見ると、ニコンFMの姿が。
3800円とひどく安い値段。別に不具合はなさそうなので、買ってまいりました。
その値段なのに、ケーブルレリーズと取扱説明書までついておりました。

以前にニューFM2を持っていたことがありました。このFM系のカメラというのはニコン好きならば一台は手元にいておくべきものと考えての購入だったのですが、1/4000のシャッタースピードなど高スペックに引っ掛かりがあり(何か気軽に持ち出す気分になれなかったり、メインとして持ち出したいF2より何か使いやすかったり‥‥なんて理由だ!)あまり使うことがありませんでした。当時、中古市場で高騰していたこともあり、手放すことになってしまいました。
こういうものの常として、手放したあとにちょっとさみしい気分になるもので、FM2でなくて普通のFMでいいから1台欲しいと思っていました。その点で今回はラッキーな買い物でした。

自分の普段撮る写真や撮影のスタイルからすれば、1/1000まであれば全く問題ないわけで、値段からして気軽にバック(カメラバックでなく普通のカバン)に放り込めるのがいいのです。軽快でシンプルなことをよしとするならば、FM系のカメラはベストでしょう。
手元にあるレンズの種類が圧倒的に多いニコン。夏の間、気軽に持ち出して、いろいろなレンズ遊びが出来そうです。

2009年7月13日月曜日

BLOWUP図書館写真展修了

昨日の日曜で瀬戸市図書館でやっていましたBLOWUP写真展は修了しました。
ご覧いただいた皆さん、ありがとうございました。

この図書館の市民ギャラリーも徐々にギャラリーらしく整備されてきたようです。照明などもともとギャラリーとして設計された場所のようにはいきませんが、フックとワイヤーはついたようです。

写真展を見た後、図書館所蔵の写真集などを眺めて‥‥といきたい所ですが、少ないんですよね、写真関係の本とか写真集とか。ちょっと残念‥‥。