2010年5月31日月曜日

「Depth mode・奥伸之写真展」を見てきた

昨日の日曜、春日井市のBanPhotoGalleryで「Depth mode・奥伸之写真展」を見てきました。
日常の中で撮影された瞬間の断片が蓄積されていく中から、さらにすくい取られた作品という印象を持ちました。場所だとか、時間だとか、被写体だとかよりも、大切なのは撮影者自身の個性・視線と再確認したような気がします。

撮影された奥さんも在廊していらしたので、少しだけですがお話も聞けました。撮影されたたくさんのイメージを選択する作業について「二度目のシャッターを切る」行為というような表現をされていたのが印象に残りました。(Depth modeというタイトルについても聞きたかったけど忘れていた)
毎回、訪れるたびに勉強になるギャラリーです。


デジタルカメラに撮影の機材がうつってから、撮影するイメージの量は私たちのような趣味の世界でも膨大に増えている。36カットを(35ミリフィルムならば)ひとつの単位として撮影するのと、メディアの許す限り何百枚ものイメージを続けて保存し続ける撮影では、意識するしないにかかわらず撮影の感覚は変わってくる。一枚づつのシートフィルムを差し込む大型カメラの撮影と35ミリカメラの撮影の感覚が大きく異なるのと同様(あるいはそれ以上に)。
撮影者によって膨大に集められたイメージを再度「選択」する作業が今まで以上に大きな意味を持ってきているのは確実。たぶん、フィルムとデジタルの一番の違いはこの選択の感覚の違い(量の差)ということと思う。
フィルムとデジタルを比較するのに、レンズの焦点距離が違うとか、トーンが違うとか、色の特徴がどうのこうのと、そんなことはささいな道具側の都合に過ぎない。撮影者の感覚が直接作品に影響すること‥‥何にシャッターを切ったか、さらにどの画像を選択して、どのような形で見る側に伝えようとするかが重要‥‥‥というようなことを帰ってきてから、考えていました。
撮影者の感覚=個性こそが大切。

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