2014年5月4日日曜日

荒木経惟「往生写集」豊田市美術館

豊田市美術館で開催中の荒木経惟「往生写集」を見てきました(6月29日まで)。
なかなかの量と豊田市美術館独特のスペース感の中での展示を楽しんできました。



荒木氏の写真家としての歩みにあわせて展示が始まっていきます(ということは「さっちん」のシリーズからスタート)。個人的にはあの「ゼロックス写真帳」の実物が見られた(ちょっとだけだけれど)のが新鮮でした。「センチメンタルな旅」のシリーズの展示、壁にはあの私写真宣言が大きく掲げられていました。
その後は、過激だった「猥褻」な時代はパスされて(公共の美術館なので仕方ないのかなあ)陽子夫人の死、人物の肖像や東京のスナップなどのシリーズなどを経て、2階のスペースへ。
2階に移ると、時間軸は前後しながら自宅のベランダからの定点観測的な大きなプリントが並べられたり、愛猫の(死の)シリーズ、母子像など さまざまな作品が続きます。

荒木経惟というあまりに有名な作家の歴史と作品群。夫人の死、愛猫の死、自身の闘病など、作品を見つつもその時その時の写真家個人の出来事がリンクしてきて、作品のみを写真家から切り離して読み解いていくというのが出来ないまま鑑賞を終えました。
これが写真家自身が宣言し追い求めてきた「私写真」なのだということをまざまざと見せつけられた写真展でした。


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