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2012年5月24日木曜日

「長船恒利の光景」



写真集は好きで、それなりの数を持っている方だと思う。その中で最も好きな一冊を挙げろと言われればこの長船恒利「在るもの」を選ぶだろう。10数年前、この薄い写真集を手にするまでこの写真家の存在も知らなかった。たまたま、いろいろな写真集をまとめて取り寄せて買った際に「ついでに」注文したと記憶している。偶然の出会いというのは偶然であるほど衝撃的のものであるわけで。真昼の街角。不思議なほど淡々と見える景色に心を奪われました。
それ以来、この写真家のことがずっと気になっていたんです。

たまたま最近ネットで検索をした際、長船氏が2009年末に亡くなり、今年初めに静岡で回顧展が開催されていたこと、またその展示にあわせて作品集・記録集 「長船恒利の光景」が出版されていた事を知りました。
早速、そのギャラリーのメールして、 その作品集を入手しました。
過去に私家版としてまとめられた写真集を中心に7冊の小冊子がひとつの箱に収められていました。「在るもの」一冊しか知らなかった写真家の作品を、その生涯とともに辿ることが出来た気がして、興味深くここ数日この写真集を眺めています。「在るもの」と比較すると、かなり柔らかな(眠く時代がかったような)トーンの印刷がちょっと気になる感じ。
今回の写真集と先の「在るもの」。オリジナルのプリントはどちらのトーンに近いのか、ちょっと気になりました。

また、好きな一冊が本棚に増えました。

2011年9月16日金曜日

アサヒカメラ9月号

いい加減次の号が出る頃になんなんですが、今出ているアサヒカメラ9月号はすごく読み応えあります。

毎月買っていたカメラ雑誌数誌を買うのをやめて何年か過ぎました。新製品情報はネットのほうが早くて情報量が多く、その上モデルチェンジのスピードの早いデジタルカメラ主流になってからは必要以上の情報に振り回されるのにも嫌気がさしました。また、懐かしの名機特集的な記事や中古カメラの記事もいい加減ネタも尽きてきたのか以前に読んだ内容の焼き直しが目立つようになりました。定期購読を止めても、グラビアの写真を眺める楽しみがなくなった程度で(立ち読みで十分)なんの不便もありません。

ところが書店で今回のアサヒカメラは手にとった途端、「これは買っておいたほうがいい」と感じてしまいました。
「写真家と震災」。あの日から半年、こうした特集を組むにはまだ生々しい時期と捉えるか、記憶に新しい時期に記録としての震災を語ったほうがいいのかは、色々な考え方もあるとは思います。
震災直後から多くの写真家が被災地に入っています。そのそれぞれの目で見た印象、記録された映像について語られています。写真家と言ってもひとりひとりの普段の活動、モノを見る目は違います。ジャーナリストの視点から以前から大きな災害の現場、戦場を活動の場としている写真家もいれば、被災地を故郷とし被災者に近い思いや視線を持つ写真家もいます。写真の持つ表現力の強さ、深さ、そして複雑さを考えさせられました。
被災地でカメラを持って撮影する、特に被災者にレンズを向けることを良しとするかは色々な考え方もあると思いますが、どんな形で撮影・記録された映像でも大きな役目を持ってくるように思います。
それぞれの写真家の語る「言葉」はとても深く、特に特集冒頭の畠山直哉さんの『「いい写真」とはなにか』という文は是非一読をお勧めします。

2011年2月13日日曜日

今回は大当たり

写真雑誌の毎月の購読をやめて早一年。新製品情報はネットのほうが早いし、ニューモデルの使用速報もそれほどデジタルカメラを買い換え続ける気がないので興味なし。繰り返される中古カメラや古いカメラのネタももう何巡かしていて新鮮さもない(そもそも古いカメラに新鮮さがあるかという話だが‥)。
そんな中でも毎回発売を楽しみにしているのが「PHOTOGRAPHICA」。今回の特集は野口里佳とか日本の近代写真とか、すごく自分の好物だらけといった内容。いいぞ!

2010年9月18日土曜日

雑誌Penの「写真の学校」

雑誌Penの特集が
「撮る」「みる」「買う」の楽しみがわかる「写真の学校」
というもの。

書店で見つけて購入。ぱらぱらとめくるとかなり面白い内容。
ただ、読む時間がない。連休に期待だ!

2010年5月25日火曜日

PHOTO GRAPHICA (フォト・グラフィカ) 2010年 07月号

雑誌PHOTO GRAPHICAの最新号が出ていました。

ここ半年ほど、カメラ(写真) 雑誌を買っていません。例外として、買い続けているのがPHOTO GRAPHICA。

写真をはじめてから20年くらい、ずっとアサヒカメラと日本カメラを毎月買い続けてきました。ネットもない時代には新製品の登場はカメラ雑誌に頼るしかなく、わくわくしながら読んだのを思い出します。たぶん最後に雑誌の新製品情報で大興奮したのはフォクトレンダーのベッサLの発表記事だったと思います(買わなかったけど)。
また、巻末の方にある中古カメラ屋の在庫リストのような広告を穴が開くほど眺めていた時代でした。

ネットの時代になり、新製品の情報はその発表よりも早く「正確なうわさ」が流れ、発表はリアルタイムに届けられます(そんな時代に発表まで極秘を貫くアップルの姿勢はすごいと思う) 。中古屋のリストはネット上で検索されクリックするだけで翌日には手元に届きます。
雑誌の遅れて届く新製品情報や中古の在庫リスト。古いカメラの特集記事も多くありますが(大好きだった記事だ)、新機種が登場することがなくなったフィルムカメラには「新規の古いカメラ」の登場はなく何度も何度も同じようなものが紹介されている‥‥。
買ってきた雑誌にあまり目を通さなくなり、全く読まずに積んだままになっている月すらあり、もう買う必要のないことに気が付いたのです。製品情報には魅力を感じず、写真そのものを見たい、楽しみたいのです。

90年代にあった雑誌deja-vuは多くの刺激を与えてくれました。牛腸茂雄も安井仲治もこの雑誌が教えてくれました。廃刊後はカメラ雑誌ではない「写真雑誌」がなかなかなく、残念に思っていましたが、PHOTO GRAPHICAは個人的にはかなりいい線いっていると思います。現代の作家が中心、現代美術の分野に近いものもありますね。

特集は梅佳代。写真らしい写真。今までまとめて見ることがありませんでしたが、これからゆっくりページをめくってみます。


2010年5月11日火曜日

写真集は重い‥‥

時間ができたので写真集のコレクション本棚を整理・補修中。
重さで本棚が(かっこいい輸入家具の本棚で高かった!)壊れ始め、本格的に補強することに。しかし、思ったより写真集の量がありそれを移動させては補強、移動させては補強、さらに移動させて補強‥‥。写真集って本当に重い。夕方までに終了しなくちゃいけないから、こんなこと書いている場合でもない。
さぁ!作業再開!

2010年5月5日水曜日

「夜の路上の植物たち」ツジヤスヲ写真展

Ban Photo Galleryの「夜の路上の植物たち」ツジヤスヲ写真展に行って来ました。
デジタルカメラで撮影された夜の植物。ノイズで荒れた調子が植物の生々しさをより感じさせるようでした。
ゴールデンウィークでのんびりしてしまい、いろいろな話(写真クラブ・教室の功罪なんか‥‥)をお聞きして帰って来ました。長居してしまいすいません‥‥。

写真展の元になった写真集「ダンスする夜」はすべてモノクロ。今回の展示では元あった「色」も含んだもの。ずいぶん印象が変わって見えました。色があることでもっと夜の植物の不気味さがましているような感じ。
展示は植物を中心にしたものでしたが、写真集はその他の人物なども含めたもの。より奥行きのある濃厚な「夜」を感じます。9日日曜日まで。

2010年4月6日火曜日

「たのしい写真 よい子のための写真教室」ホンマタカシ

「たのしい写真 よい子のための写真教室」ホンマタカシ(平凡社)をやっと読み終えた。昨年出版された本で、読みたいと思いつつ今年に入ってやっと買ってきて、最近読み始めた。読み始めれば一気に読んじゃうのだけど。

おもしろかった。タイトルにだまされちゃうと、子ども向けのようだけどかなり深く、それなりに(現代の)写真についての知識なり感覚なりが必要。花や風景のみが写真と思っている向きには読みにくいかも。

写真というものは現代美術にどんどん接近している。「写真」としてはやはりシャッターを切るという行為に重きを置いてきたのだけれど、最近はそんなことはそれほど大きな意味を持たなくなってきた。たぶん、デジタル化という事も影響しているのだろうけれど、それ以上に「現代美術」という感覚が写真の世界に根を下ろしてきたからだろう。
今でも、私たち趣味として写真を楽しんでいる者たちは旧来の写真のお約束の多くにしばられているように感じる。アマチュアこそお約束事にしばられない立場のはずなのに。写真の枠を超えて、写真を楽しむことを考えてみるともっともっと楽しくなるような気がする。

「今」の写真、「これから」の写真を考えるきっかけにお薦め。


2009年12月29日火曜日

年末年始は‥‥

今年の撮り納めは‥‥と考えているうちに、残すところ二日とちょっと。暮だけは忙しく過ごさせていただきました。毎年のことですが、いろいろなカメラにフィルムを入れたままの年越しとなりそうです。未現像のままのフィルムも同じく年越し‥‥これも同様です。
先日のBanPhotoGalleryで購入してきた写真集、年末年始の休みにもっとじっくりと見てみようと思っています。

また、以前から読んでみたいと思っていた一冊がamazonから到着。「大辻清司の写真—出会いとコラボレーション」。
大辻清司の著書は見つけるたびに読んできました。とにかく写真とは何だろうかということを考えるヒントをたくさん与えてくれます。写真家としての活動とともに、写真教育者としても知られている方。著書を何冊か読んだだけですが、自分の写真の撮り方や見方にかなり大きな影響を受けています。今回の一冊は多くの文章をまとめてあるもので、しっかり読み込みたいと思っています。時間があれば同じく大辻清司著の「写真ノート」も読み返してみたいです‥‥が、多分そんなのんびりした時間なんてないでしょうねー。


新年明けての「撮り初め」は例年と同じく地元神社への初詣(兼、子どもたちの道場の稽古初め)がてらのスナップとなりそうです。
それではよいお年をお迎えください。


2009年12月15日火曜日

「多摩景」田中昭史写真展〜Ban Photo Gallery

日曜日、Ban Photo Galleryで開催中だった田中昭史写真展「多摩景」を見に行ってきました。DMの雰囲気から自分好みの内容と感じ、絶対に見なくてはと思いつつ、毎回のように最終日に駆け込みというパターンになってしまいました。

「多摩景」。6×7のプラウベルマキナで撮影され、丁寧にプリントされた多摩の住宅地や公園など作品が展示されていました。とてもニュートラルなプリントという印象で見ていてとても引き込まれるものでした。
作品は「人のいない、そして写される風景と少し距離の置いた感じのもの」 と「風景の中に人が強く存在するスナップ的な要素があるもの」が混在するようでちょっと気になりました。
自分の普段撮影するのは前者の雰囲気に近いものです。自分の作品作りの中で人をどう扱うかというのがいつも頭を悩ます部分です。自分の予想する範囲を超えて、画面上の人物が物語を演じ始めてしまうことが気になり、画面上に人が(または猫・犬の類も)写ることに神経質になっていたこともあります。そんなことから人物が写っている、いないが必要以上区別したがる傾向があります。
ギャラリーを後にするときに今回の作品も収録されている写真集「多摩景」を買いました。今、写真集のページをめくっていくと、不思議とギャラリーで感じた違和感はありません。写真集にはもちろんギャラリーで見た作品以外のものも多数含まれています。それらを含めて見渡した「多摩景」は違った、より深い印象を与えてくれているように思います。時間をかけて撮り続けられた作品というのは、やはりそれなりの「量」で見るが必要なのでしょうし、写真集という形に仕上げるまでに構成していく過程は想像以上にたいへんなんでしょう。
写真集を見た上で、再度ギャラリーに展示されていたオリジナルプリントを見たとしたらより深い理解が出来たのではないかと今更ながら感じています。
だからやっぱり会期ぎりぎりで見に行っちゃいけないんだよなー。あーもう一度みたい‥‥残念。

2009年11月20日金曜日

光彩写真展の作品と「東京欲望」

昨日に続いて、光彩写真展の出品作です。今日の中日新聞の近郊版に写真入りで紹介記事が出ていましたね。





二つ目の額の二点です。
写真集というのを自分は結構買うほうじゃないかと思います。写真好きとか、カメラが趣味という方は多いのですが、意外と写真集を買って楽しんでいるという人は自分の周りでは見かけません。自分の周りだけの傾向か、全体的な傾向かはわかりません。
自分好きな写真集の中で「東京欲望」Ben Simmonsという一冊があります。写真集を買うときは私の場合、以前から好きな写真家だから買う、他での評価や雑誌やネットで見て興味を持って買う、そして本屋で何気なく見て気に入ってしまって買うという3パターンがあるのです。この一冊は典型的な三番目のパターンですね。それまではその写真集も写真家も知らなかったのですが、とにかく見ていて面白い。見開きになる2ページにそれぞれ2点ずつ写真が配置されています。その計4枚の写真、全く関係ないスナップされたイメージが同時に目に入ってきます。それぞれのイメージはさりげない一瞬を記録したものなのですが、一件無関係な上下の組み合わせあるいは左右の組み合わせが見ているうちにそれぞれが意味を持ってつながり始めます。時間も空間も別なはずの瞬間のイメージ同士が呼応し始める‥‥不思議な感覚です。写っているモノが共通する部分がある場合や、構図的な印象がつながりを感じさせる場合。そんな共通部分を探しながらページを進めていくと時間の経つのを忘れます。

今回の光彩展の自分の展示なのですが、そんな感覚を意識してモノクロのイメージを6点選んで組み合わせてみました‥‥が、どうなんでしょうか?何か感じていただくものがあればうれしいですが。




フォトグループ・光彩写真展
平成21年11月19日木曜~22日日曜
瀬戸市文化センター文化交流館ギャラリー(愛知県瀬戸市)

2009年6月23日火曜日

Photo GRAPHICA 2009年7月号

毎号出るのを楽しみにしている雑誌というのは正直多くはありません。楽しみにしていなくても、なんとなく買ってしまっている雑誌が多いのですが、最近では唯一発売日を待っている雑誌がPhoto GRAPHICAです。
現在、書店に並んでいる2009年7月号はVol.15、「ゼロ年代の写真 2000-2009 写真の西暦2000年代を振り返る」という特集です。何か最初はピンと来ませんでしたが、考えてみれば今年は2009年。21世紀も(それを迎えるときはミレミアムとか言って、あんなに大騒ぎしたのにね)最初の10年が過ぎつつあるのですね。その最初の10年、ゼロ年代の写真を総括するというか俯瞰するというか、振り返ってみるべき時が来ているのですね。
思えばこのゼロ年代は、写真にとってデジタルに移行していく「過渡期」と後々語り継がれるのでしょうね。また、進化のスピードを増す刺激的なデジタルとその技術的に円熟したフィルムとの両方を自由に(そして手軽に、贅沢に)選択可能な夢のような10年だったかもしれませんね。
紙面を見つつも、いろいろな写真家とその作品群が、ずいぶん前のことに感じられることもあり、時代のスピードを改めて感じてしまいます。